老後資金として自助努力によって2000万円貯める必要があるということが金融庁から発信されていますが、すでに生活費と将来や子供のための貯金などで老後のために追加で2000万円も貯められないという人も多いのではないでしょうか。
この記事で紹介する4つの所得を上げることを意識すれば、老後資金2000万円を貯める具体的な方向性が見えてくるはずです。
所得には4つの種類がある
収入と所得という言葉は、税金の観点から明確に区別して考える必要がありますが、この記事で紹介する4つの所得を理解する上では、収入=所得と考えていただいて問題ありません。
さて、こちらが4つの所得です。
- 給与所得
- 事業所得
- 不動産所得
- 配当&利子所得
所得はほかにも雑所得などいくつかありますが、サラリーマンが意識すべき所得はこの4つです。
順番に説明していきます。
給与所得
サラリーマンにとって最もなじみの深い所得が給与所得です。
それもそのはず、サラリーマンが会社勤めしてもらえる給料が給与所得だからです。
給与所得を上げるにはどうしたら良いでしょうか。
外資系向け人材派遣会社ヘイズの年次調査「2019年ヘイズ給与ガイド」によると、この1年の日本の給与の昇給率はアジア5カ国でも最低レベルだと述べられています。

給与所得をアップさせる方法は2つだけ。
- 市場価値のあるスキルを磨く
- 自分の市場価値を適正に評価してくれる企業への転職
いずれも市場価値のあるところにどれだけ訴求できるかがポイントになります。
やみくもに日々の仕事を一生懸命やっているだけでは給料はなかなか上がらず、自分の市場価値を厳密にみられる時代になってきたのです。
「自分の市場価値に対して給料が支払われている」という事実をしっかりと意識して日々の仕事に向き合っていきましょう。
事業所得
事業所得とは、読んで字のごとく事業を営んだ結果で発生した所得のことをいいます。
個人事業主やフリーランスなど、会社勤めをしていない人の売上から経費を引いた金額が事業所得と呼ばれます。
今の時代はネットビジネスも普及してきて、多くの人がネットで副業をしています。
副業すれば税務上のメリットも生まれるので、サラリーマンは必ずと言っていいほど副業をするべきです。
副業と聞くとアルバイトのようなイメージを抱く人もいるかもしれませんが、サラリーマンが週末を使ってアルバイトというのは、単に給与所得が増えるだけでお勧めできません。
サラリーマンは、こちらの2つのメリットがあるからこそ副業で事業を頑張るべきなんです。
- 税務上のメリットが受けられる
- 労働からの解放
税務上のメリットは別の記事に譲るとして、ここでは労働からの解放について説明します。
サラリーマンの給与所得というのは、あなたの時間を使って稼ぐ必要がありますが、事業所得というのは、あなたが事業にかけた時間に比例しません。
最初は時間をかけても目が出ず苦しい時期はありますが、売上が立つようになればあなたが働かなくてもお金が入ってくる可能性を秘めているのです。
たとえば、本を執筆して販売したり、ブログで広告費を稼げるようになれば、あなたが1分も働かなくてもお金が入ってくる可能性があるのです。
サラリーマンが副業で事業所得を得ることができれば、本業の仕事に対いても選択肢が見えてきます。
今まで高い給料のために長時間働かなくてはいけなかったのが、「事業所得も得ているから、給料はそこそこでいいや」という考え方ができるようにもなるのです。
不動産所得
不動産所得は、賃貸の家に住んでいる人ならすぐにわかると思うけど、賃貸住宅の大家になることです。
人を住まわせて得られた賃料が不動産所得になります。
不動産は資産家の持ち物という意識の人もいるかもしれませんが、不動産はサラリーマンでも購入することができるのです。
賃貸をやめて家を買って住むという人もいますよね。
これも不動産を購入する行為です。
違うのは自分で住むか、人に貸すかです。
不動産を買うときに手元に現金が無ければ、銀行からお金を借りて買うことになります。
銀行がお金を貸すかどうかは、借り手の信用力によるのです。
銀行にとっての信用力とは、貸したお金を返す力。
貸しても返ってこない相手にお金を貸すことなんてしませんよね。
会社勤めのサラリーマンは、毎月安定した給料が入ってくるので、信用力は高く銀行がお金を貸してくれる可能性はあります。
不動産投資は、銀行からお金を借りて不動産を買い、毎月の返済を不動産の借り手から得られる賃料で充当することで、あなたの財布を痛めることなく資産を貯めていくことができるのです。
常日頃から不動産を見て勉強し、不動産投資を始めていきましょう。
配当&利子所得
株や債券を買うと、配当や利子が得られます。
給与所得や事業所得は、得るのに労働が必ず必要になります。
また、不動産投資は、物件が所得を生み出してくれますが、物件の管理など労働がゼロかというとそうではありません。
しかし、この配当&利子所得は、所得を得るための労働がゼロなのです。
たとえば配当利回り4%の株を100万円分買えば、何もしなくても1年間で4万円の収入が得られます。
債券を購入したことによる利子収入も同じ考え方です。
一切労働せずに収入が発生するのです。
配当&利子所得で得られる金額は、利回りによって決まります。
株であれば5-6%もあれば高い数字です。
5%がどんな利回りかというと、100万円分の株を保有して年間5万円です。
ところが1億円分の株を保有していれば年間500万円もらえるのです。
そうなんです。配当&利子所得は、手元資金が大量にあってこそ威力を発揮するのです。
4つ所得の流れ
サラリーマンがやるべきことは下の流れです。
会社に勤めて給与所得を得る
↓
スキルアップや転職をして給与所得アップを狙う
↓
副業を始めて事業所得を得る
↓
副業が育ってきたら会社勤めの割合を減らして事業所得の割合を増やす
↓
給与所得と事業所得で得られたお金で、不動産所得と配当&利子所得を得るために投資
↓
不動産所得と配当&利子所得で生活がまかなえるようになったら人生あがり
老後資金を準備するために4つの所得を上げることを意識すべきなのですが、しっかりと4つの所得を上げることができれば、最終的には働かなくて済む状態を実現できる可能性もあるのです。
4つの所得を上げて老後資金を効率的に用意しよう
サラリーマンが会社勤めで得られる給与所得だけでは、働かなくなった時点で無収入になってしまいますが、しっかりと4つの所得を上げることを意識していけば、老後資金は勝手に積みあがっていくようになります。
老後の確固たる経済基盤を築くためにも、給与所得だけでなく、副業による事業所得や不動産所得、配当&利子所得を意識していきましょう。