
目次
記事の概要
冒頭で紹介した記事中では、生命保険会社で勤務している「生命保険のプロ」である生保社員200人に対して、「自身が加入している死亡保険」についてアンケートを取った結果を解説しています。
アンケートの結果から、日本生命の「みらいのカタチ 終身保険」がプロから最も評価される生命保険であるということを強く印象付けています。
生保社員は他社の死亡保険に加入するのか
まず前提として生命保険というのは、自分の身体に万が一のことがあったときのための備えとして加入するものです。
加入者に万が一のことがあった場合には、まとまった額の保険金が加入者または加入者の遺族に支払われるため、保険会社側にとっては損失なわけで、万が一のことがなければ保険会社は、加入者が毎月支払う保険料の多くが利益になります。
こういった生命保険の特徴を理解した上で、保険会社の視点になって考えてみてください。
競合である他社(A社とします)の社員が、自分のところの生命保険に加入しようとしてくるわけです。
A社でも保険商品は扱っているので、A社社員がA社の保険商品に加入する場合は、おそらく福利厚生で保険料の割引なども受けられることでしょう。
それにもかかわらず、わざわざA社ではなく競合他社の商品に加入するという意味。
わざわざA社ではなく競合の保険商品に加入しようとする行動を保険会社はこう解釈するのではないでしょうか。
「もしかしてこの社員は、自社(A社)で加入できないような身体的リスクを抱えていて隠しているのではないだろうか、、、」
実は、保険会社に勤務している社員は、他社の保険商品なんて加入しないですし、自社の主力商品にすら加入しないんです。
そもそも、紹介した記事内の冒頭にある通り、保険会社で主力の保険商品があまり魅力的でないことを販売している社員が一番理解しています。
さらに保険会社では福利厚生として、社員専用の団体保険というものを用意していて、保険料が非常に安いのです。
そのため、通常保険会社に勤務する社員というのは、割安な社員専用の団体保険に加入するので、自社の主力商品に加入することも稀ですし、まして他社の商品に加入するなどということは無いはずなのです。
ここまで考えてみると、紹介した記事にあった「保険のプロが加入している死亡保険ランキング」なんて成立しない可能性が高いのです。
考えられる結論
- 回答者の大半は加入していない
- アンケート回答者に偏りがある
- アンケート自体が公正でない
順番に説明していきます。
回答者の大半は加入していない
まず、アンケート結果の表をもう一度見てください。
生保社員200人が選んだ商品のトップが16票です。
表示されている票数を足しても103票。
200人にアンケートを取った結果、加入者が多かった商品のランキングを発表しているので、加入していない人の情報はわざわざ出す必要が無いですよね。
先ほど説明したように、基本的に生保社員は他社の保険商品に加入しにくい現状を考えると、200人それぞれが自社商品に投票している可能性だって考えられます。
アンケート回答者に偏りがある
そうなると次に想像するのが、日本生命の社員が回答者に多かった可能性です。
前提条件など、発信者の発信意図に対して都合の悪いことはあえて伏せておくことで、読者に発信者の意図した通りの印象を抱かせてしまう手法を用いている可能性が考えられます。
アンケート自体が公正でない
そして、まず無いと考えたいですが、このアンケート自体がやらせだった可能性です。
これまでに説明した通り、そもそも生保社員は、自社の社員専用団体保険という非常に割安な商品があるのです。
多くの生保社員がそれに加入しているはずなので、このアンケートを実施する意図が疑われます。
意味のない結果になることは、やる前から見えていたはずなのです。
日本生命は、メディアに非常に多くの広告宣伝費を投じて自社の宣伝をしています。
紹介した記事は、記事の最後に「女性セブン2019年7月25日号」とあるので、女性セブンという雑誌に掲載されていたことが分かりますが、日本生命の広告がしっかりと掲載されています。
こういった記事を書いてもらうために広告宣伝費が投じられた可能性もありますし、広告掲載してくれている日本生命に対して、女性セブン側がお礼の意味でこの記事を書いた可能性すら考えられます。
ネットの情報を鵜呑みにしない
気になることや知りたいことがあったら、すぐネットで調べて多くの情報を得られる時代になりましたが、ネット上にアップされているどの記事も人が作り上げたものです。
そこには少なからず人の意思が介在しています。
そのため、あなた自身がしっかりと見る目を養って、情報を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えてネット情報の信ぴょう性を判断していくことが重要なのです。