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米国株をはじめとした海外株式(外国株式)を購入する場合、決済方法として「円貨決済」か「外貨決済」を選びますが、投資初心者にとってはどっちを選べば良いのかよく分からないですよね。
この記事では、そもそも「円貨決済」や「外貨決済」とは何なのか、そしてそれぞれの特徴とメリット・デメリットを説明します。
結論を言ってしまうと、手数料の観点からオススメは外貨決済ですが、どちらも一長一短があります。
最後まで読んでいただくことで、あなたにとっての最適な決済方法が分かります。
円貨決済・外貨決済とは
円貨決済や外貨決済は、株や債券などを取引するときの決済方法です。
米国株を買う場合、日本円を支払うのか、USドルを支払うのかの違いです。
証券口座で米国ETFのVTIを購入しようとすると、下のように注文画面で決済方法の選択を求められます。
証券会社の解説にある通り、円貨決済で注文すると、証券会社が投資家から預かった日本円をUSドル等の現地通貨に両替して目的の資産を購入してくれます。
一方、外貨決済は現地通貨を支払って目的の資産を購入する方法です。
外貨建て資産を取引するときの決済手段
円貨決済:日本円を支払って証券会社が外貨に両替して買い付けてくれる
外貨決済:外貨を支払って直接資産を買い付ける
円貨決済の特徴
円貨決済の特徴は、次の5つです。
メリット |
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デメリット |
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【メリット①】外貨を持っていなくても両替不要ですぐに取引可能
米国株をはじめとした外国株取引に円貨決済を選ぶ唯一にして最大の理由がこちらです。
本来、米国株を購入する場合、手持ちの日本円をUSドルに両替し、USドルを払って米国株を買い付けなければなりません。
ですが円貨決済は、あなたの代わりに証券会社が両替を代行してくれるので、自分で両替する手間が省けます。
したがって、日本円を持っている状態から外国株を購入するまでのステップが少なく手間がないのです。
【デメリット①】外貨決済と比べて手数料が高い
手間が無く魅力的な円貨決済ですが、デメリットもあります。
円貨決済のデメリットは4つありますが、その中で最もインパクトが大きいのが手数料が高いことです。
本来であれば自分で外貨を準備して、購入する必要があるところを証券会社が外貨を準備してくれるので、その分の手数料が取られてしまいます。
自分で両替をする場合、手数料が安いところを選べば良いだけなのですが、円貨決済の場合、株を買う証券口座によって決められてしまいます。
楽天証券やSBI証券であれば手数料は1ドル25銭です。
日本円を両替して1ドルを手に入れる場合、1ドル分の日本円に加えて25銭が必要と言うことになります。
後述しますが、外国株を用意する方法を厳選すれば、1ドルたった2銭しか手数料が掛からない仕組みもありますので、1ドル25銭という手数料がどれだけ高いのか分かっていただけたと思います。
【デメリット②】証券口座に余裕を持って資金を入れておく必要がある
円貨決済2つ目のデメリットは、買いたい金額よりも少し余裕のあるお金を証券口座に入金しておかなければならないと言うことです。
あなたは1ドルの株を買いたいとします。
今為替レートは1ドル110円です。
本来110円を証券口座に入れて円貨決済で購入すれば良いだけなのですが、110円ギリギリしか証券口座に無い場合、取引を実行できないのです。
証券会社は、為替の変動を考慮して、実際に必要な金額よりも少し多めに資金拘束してくるので、実際の購入金額よりも多めに証券口座にお金を入れておく必要があります。
【デメリット③】為替リスクが高くなる可能性がある
次のデメリットは、為替リスクです。
米国株を購入するときに、為替レートに従って日本円からUSドルに両替が行われるので、両替した時点からの為替の値動きによって、価値が下がってしまう恐れがあります。
米国株の購入自体を一度ではなく、毎週や毎月など一定間隔で購入タイミングを分散させることで、為替レートを平準化でき、為替リスクを抑えることは可能です。
【デメリット④】売却して外国株に再投資する場合、為替手数料が発生
最後のデメリットは、売却金額で米国株に再投資しようとしている場合に、売却時に円貨決済を選んでしまうと手数料が発生してしまうということです。
保有している米国株を円貨決済によって売却すると、売却した時点でUSドルから日本円に両替をするため為替手数料が発生します。
さらに米国株に再投資する場合、一旦日本円に戻したにもかかわらず、円貨決済によってUSドルに再度両替することになり、ここでも為替手数料が発生します。
売却金額で米国株に再投資することが決まっている場合は、円貨決済による売却は選ぶべきではありません。
外貨決済の特徴
次に外貨決済の特徴を見ていきましょう。
外貨決済の特徴は、次の3つです。
メリット |
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デメリット |
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【メリット①】円貨決済と比べて手数料が安い
外貨決済における最大のメリットは、円貨決済と比べて手数料が安いことです。
円貨決済の場合、両替の手数料が1ドルあたり25銭ほど掛かってしまいますが、当然外貨決済だと両替の必要が無いので為替手数料が掛かりません。
例えば、住信SBIネット銀行で外貨預金を利用すると、1ドルあたり4銭で日本円からUSドルに両替できます。
さらに、住信SBIネット銀行の外貨積立を利用すれば、1ドルあたりたった2銭で両替できてしまうのです。
為替手数料 | 10万円あたりの為替手数料 | |
円貨決済 | 1ドル25銭 | 約231円 |
外貨預金 | 1ドル4銭 | 約37円 |
外貨積立 | 1ドル2銭 | 約18円 |
*1ドル108円として、10万円で925.9ドル分に両替できるので、為替手数料×925.9ドルで計算しています
10万円分なら200円程度の差ですが、これが100万円分などの大きな額になればなるほど手数料の差もバカにできません。
外貨決済をオススメするのもこの理由のためです。それを踏まえた上で良し悪しを判断しましょう。
【メリット②】為替リスクを抑えられる
2つ目のメリットは、円貨決済とは逆に為替リスクを抑えられることです。
円貨決済の場合、買いたい時に必要な分だけUSドルに両替するので、購入時の為替レートに左右されてしまいます。
一方、外貨決済の場合は自分でUSドルを用意することになるので、自分の両替のタイミングを見計らうことができるのです。
外貨積立は、定期的に外貨に両替してくれるサービスです。
10ドル分の米国株を買いたい時、円貨決済の場合は買う時に一気に10ドル分の両替をすることになるのですが、外貨決済を前提に外貨積立を利用すれば、「2ドルずつ5回に分けて両替して10ドル分用意する」といったことができるのです。
為替レートの変動を、両替するタイミングを分散させることで為替リスクを下げることができるので、外貨決済のメリットと言えます。
【メリット③】売却して米国株に再投資する場合は為替手数料不要
3つ目のメリットは、売却時に外貨決済を選ぶことでメリットが得られます。
前提としては、保有している米国株を売却し、売却して得た資金で再度米国株を購入する場合です。
この場合、円貨決済のデメリットで説明したように、円貨決済だと為替手数料が2度に渡って掛かってしまいます。
外貨決済にすることで、米国株を外貨決済で売却することでUSドルで受け取ることができ、そのままそのUSドルを使って外貨決済で米国株を購入することができるので、為替手数料が一切掛からずに済むのです。
【デメリット①】自分で現地通貨を用意する手間がかかる
外貨決済のデメリットは、自分で現地通貨(外貨)を用意する手間が掛かることです。
自分で外貨を用意する場合、外貨両替をする手間が掛かります。
この外貨両替は、外貨積立をすることによって、最初に一回積立の設定をしてしまえば、自動で外貨を準備できます。
しかしながら、外貨積立は銀行のサービスなので、両替した外貨は銀行口座に貯まっていきます。
米国株を買うには証券口座に外貨を用意しなければいけないので、銀行口座から証券口座へ資金の移動が必要になります。
この資金移動は自分で操作してやらなければいけないので、この手間はどうしても省けません。
外貨積立をすることによって、手間を軽減することはできますが、円貨決済と比べると少し手間が残ると言えるでしょう。
結論:手間を掛けて得られる金額に納得ができるかどうかで決めよう
【円貨決済がオススメな人】
・面倒な手間をかけたくない人
・多少手数料が割高になっても良い人
【外貨決済がオススメな人】
・少額でもできるだけ手数料を取られたくない人
・多少の手間はいとわない人
オススメは、住信SBIネット銀行の外貨積立によってUSドルを用意して、外貨決済を選択することです。
為替リスクもコントロールできるので、より安全です。
ですが、銀行口座から証券口座に資金移動する手間が掛かり、その手間で得られる手数料の差が10万円分の取引あたり213円程度です。
これに納得ができれば外貨決済がオススメと言えるでしょう。
逆に、その程度であれば手間なく楽に取引したいという方には、便利な円貨決済がオススメです。