資産運用を始めてお金を増やしたいと思っても、多くの人は何に投資したら良いか分からないですよね。
色々勉強していくうちに「ETFというものがあるらしい」ということは分かっても、具体的にどういう商品なのか理解できず、周りがオススメしていても投資して良いのか自分に合っているのか分からないもの。
そこでこの記事では、ETFの仕組みやメリット・デメリット、オススメのETFまで、ETFに投資する前に必要最低限知っておくべきことを解説します。
資産運用の初心者でもETFのことを理解して、自分の目的に合ったETFに自信を持って投資できるようになりますよ。
- ETFがどういう投資商品なのか
- ETFに投資するメリット・デメリット
- ETFへの投資をオススメできる人、オススメできない人
- オススメのETF銘柄や選び方
目次
ETFとは
ETFは、Exchange Traded Fund の略で、日本語では「上場投資信託」といいます。
ETFの特徴は大きく3つ。
ETFの特徴
- 1つのETFで市場全体や複数の銘柄に投資できる
- 種類が豊富
- 株と同じように証券会社を通して株式市場で売買できる
ETFにはたくさんの種類があり、指数に連動するように運用されている投資信託の一種なのです。
証券会社を通して株式市場でいつでも売買できるところが投資信託とは異なります。
個別株だと、どの企業に投資すれば良いか迷ってしまいますし、企業の業績が悪化してしまったら株価が下落してしまうのでリスクが高いのですが、ETFであれば個別企業の業績ではなく、指数に連動するように運用されているので、一般的には個別株に投資するよりもリスクが低いのです。
個別株 | ETF | 投資信託 | |
どこで買える? | 証券会社 | 証券会社 | 販売会社(証券会社、銀行等) |
いつ買える? | 市場の取引時間中 | 市場の取引時間中 | 販売会社が定める時間中 |
価格は? | 市場価格(リアルタイムで変動) | 市場価格(リアルタイムで変動) | 基準価額(1日1回算出) |
売買時のコストは? | 売買手数料を払う | 売買手数料を払う | 購入価格の数%を払う(※) |
保有期間のコストは? | なし | 信託報酬を払う | 信託報酬を払う |
(※)売却時は信託財産留保額という名目のコストが発生することがあります
ETFの仕組み
ETFは日経平均株価やS&P500指数など、特定の指数に連動することを目標に運用されるので、ETFを購入することで複数の銘柄に分散投資していることと同じ効果を得ることができます。
ETFの1つとして、日経平均株価に連動する「日経225連動型上場投資信託」というものがあります。
日経平均株価というのは「日本の主要な企業の株価の平均値」なので、日経225連動型上場投資信託の株価は、日経平均株価を構成している個別の企業の株価に左右されるのです。
下の表は日経225連動型上場投資信託の主要な組み入れ銘柄の一覧です。
ETFは、日経平均株価など特定の指数への連動を目指すことを目的としています。
ETFが連動目標とする指数というのは、個別銘柄の株価の平均値なので、ETFに投資をするということは、結果的にあるテーマに従って複数の個別銘柄に分散投資をすることと同じ意味になるのです。
ETFのメリット
ETFを購入するメリットは大きく3つあります。
- 少額から簡単に分散投資ができる
- 種類が豊富
- コストが安い
【ETFのメリット①】少額から簡単に分散投資ができる
1つのETFを買うだけで分散投資をすることができます。
個別の株を買って分散投資をしようとすると、多くの銘柄を購入しなければならず、多額の資金が必要になってしまいます。
個別株は1つの銘柄を買うだけで数万円、数十万円必要になってくるので、分散投資の効果を得られるくらいに購入すると数百万円レベルの資金が必要です。
ETFは1つ買うだけで複数の銘柄を少しずつ保有するのと同じ状態になるので、少ない資金で分散投資ができるのです。
【ETFのメリット②】種類が豊富
ETFは個別株の組み合わせパックのようなものですが、ETFで投資できる資産は株式だけではありません。
ETFは多くの種類があり、国内株式や海外株式だけでなく、債券、REIT、商品(コモディティ)などに投資できるETFもあるのです。
資産種類の異なるいくつかのETFに投資することでアセットアロケーションを簡単に実現できてしまいます。
【ETFのメリット③】コストが安い
資産運用をするには手数料が掛かるのですが、ETFは手数料が非常に安いことが特徴です。
ETFと似た投資対象に投資信託がありますが、ETFも投資信託も保有期間中に管理費用として「信託報酬」を運用ファンドに支払うことになるのですが、一般的な投資信託と比較するとETFの信託報酬は低く設定されています。
ETFのデメリット
ETFのデメリットは2つあります。
- 保有しているだけでコストがかかる
- 配当金(分配金)が自動で再投資されない
【ETFのデメリット①】保有しているだけでコストがかかる
コストが安いことをETFのメリットとしてあげましたが、個別銘柄と比較するとそもそも保有しているだけでコストがかかること自体がデメリットとも言えます。
【ETFのデメリット②】配当金(分配金)が自動で再投資されない
複利の効果を活用して資産を拡大していくには配当金の再投資が欠かせませんが、ETFで支払われる分配金(個別銘柄でいうところの配当金)は、自動で再投資されません。
投資信託であれば、分配金は自動的に再投資することが可能なので、放っておいても複利運用することが可能です。
ETFでは自動で再投資することができないため、複利効果を狙って再投資する場合には分配金が払われるたびに自分で銘柄を買い足す必要があるのです。
ETFはこんな人にオススメ
ETFへの投資をオススメできるのはこんな人たちです。
ETFへの投資がオススメな人の特徴
- 資産運用は経験が浅く初心者
- 長期・分散・積立投資をしたい
- 色んな種類の資産に投資したい
- 個別銘柄の分析は面倒でやりたくない
- 少しくらいは自分でチャートを見て売買したい
ETFは少額から分散投資をすることが可能なので、資産運用の初心者がリスクを抑えて分散投資を始めるのに適した商品です。
またETFは株式だけでなく、債券や金などのETFもあるので、少ない資金からアセットアロケーションを実現することもできます。
起業ではなく市場に投資するため個別銘柄の分析も不要で非常に簡単に運用できる一方で、分配金の手動での再投資が必要なので投資信託よりも手間をかける必要があります。
ETFは資産運用の初心者が少額から投資を楽しむには最適な商品と言えます。
ETFは世界で最も注目の金融商品
日興アセットマネジメントの情報によると、ETFは2017年12月末時点で7,178本のETPが世界で運用されており、運用資産残高は約4兆8,353億USドル(1ドル107円換算で約517兆円)となっています。
ETFは日本ではあまり有名ではありませんが、米国では非常に人気のある投資対象なのです。
オススメのETF銘柄
銘柄コード | 銘柄名 | 特徴 |
VOO | バンガード・S&P500 ETF | 投資の神様ウォーレンバフェットが推奨する米国のS&P500指数に投資できるETF |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | 米国市場全体に投資できるETF |
長期での資産運用を始める場合、米国に投資することが重要です。
日本の経済状況を表す日経平均株価のチャートを見てください。
もし1990年頃に日本市場全体に投資していたら、2020年の今でもまだ利益が出ておらず、損失が発生している状態です。
一方で、米国の経済状況を示すダウ平均株価の推移を見ると、右肩上がりになっていることが分かります。
市場経済やチャートを見ながら売ったり買ったりを繰り返すのであれば日本市場でも良いと思いますが、資産運用の初心者が長期間にわたって投資をするのであれば、持っておくだけで経済発展の恩恵を受けられる米国市場に投資する方が良いです。
もちろんチャートは過去のもので、今後どうなるかは誰にも分かりませんが、日本経済が抱える問題と米国経済を考えると、米国の方が今後の発展可能性が高いと考えています。
改めておすすめのETFを紹介します。
銘柄コード | 銘柄名 | 特徴 |
VOO | バンガード・S&P500 ETF | 投資の神様ウォーレンバフェットが推奨する米国のS&P500指数に投資できるETF |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | 米国市場全体に投資できるETF |
どちらもパフォーマンスに違いはほとんどありません。
しいて違いをあげると、大型株への投資が良いならVOO、中型株、小型株も含めて広く分散させたいならVTIといった判断で投資先を選んでいただければ良いです。
ETFの選び方
ETFを選ぶ基準
- 時価総額の大きいETFを選ぶ
- 経費率の低いETFを選ぶ(0.3%以下)
- 基本は世界三大資産運用会社から選ぶ
ETFは時価総額の大きく経費率の低いETFを選ぶようにしましょう。
ETFの時価総額が大きいということは、投資している人や金額がそれだけ大きいということです。
実際2020年6月30日時点での時価総額は、VOOが1477億ドル(15.8兆円)、VTIが1438億ドル(15.3兆円)と、どちらも非常に大きい額となっています。
時価総額の大きさと経費率の低さで選べば良いですが、世界三大資産運用会社が運用しているETFから選べばより安心です。
世界三大資産運用会社
- ブラックロック
- バンガード
- ステート・ストリート・グローバル
オススメETFのVOOやVTIもバンガード社が運用しているETFなので、非常に安心感があります。
時価総額が大きく経費率の低いETFの中から目的に合ったETFを選ぶようにしましょう。
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