転職を考えていて転職エージェントに登録するとすぐに、転職エージェントからメールや電話で「面談の日程調整連絡」が来ます。初めて転職エージェントに登録した人は、面談って何をするの?何を準備すればいいの?と不安になりますよね。
この記事では転職エージェントとの面談について、事前に準備することや面談当日の流れ、注意事項を解説します。面談はあなたの転職を成功に導くチャンスです。しっかりと理解して納得のいく転職を実現させましょう。
- 転職エージェントとの面談のイメージがわかない
- 面談までに何を準備すれば良いか分からない
- 面談で注意すべきことを知りたい
転職エージェント面談の目的
転職エージェントとの面談の流れや注意点を説明する前に理解しておく必要のある前提事項があります。それは転職エージェントと面談をする目的です。そもそもなぜ転職エージェントと面談をする必要があるのでしょうか。
転職エージェントと面談をする目的は2つあります。
【転職エージェントと面談をする目的】
- 転職エージェントが求職者を理解する
- 求職者が自分に適した求人を理解する
つまり転職エージェントとの面談の目的は、求職者と転職エージェントがお互いの理解を深めあうことです。
面談をすることで求職者にとってはどんな求人情報があるのか、自分に転職のチャンスがあるのか知ることができますし、転職エージェントにとってはどんな求人案件を求職者に勧めることができるか具体的に考えることができるようになります。
事前に準備しておくこと
転職エージェントとの面談の前に準備しておくもの(こと)は5つです。
【事前に準備しておくもの(こと)】
- 履歴書
- 職務経歴書
- 当日の服装・持ち物
- 面談場所の確認
- 予定確保
履歴書
履歴書は企業に応募するときに必要になるものですが、転職エージェントとの面談までに用意しておくことをおすすめします。
転職理由を書くことになるので、エージェントは履歴書に記載されていることを見て転職理由を理解します。
エージェントからも面談の前に履歴書を用意してほしいと依頼されるはずです。
完璧なものでなくて良いので、あなたの転職理由をエージェントに正しく理解してもらうために準備しておきましょう。
職務経歴書
職務経歴書も履歴書と合わせて面談までに作成しておくべきです。職務経歴書はあなたのこれまでの経歴やスキルなど、企業に対してアピールできる情報が書かれます。また、今後のキャリアプランや志望業界・職種についても整理します。
転職エージェントは職務経歴書を見ることで、求職者がどのようなところに強みがあって、どのような企業が採用してくれそうなのかを見極めます。
今まで経験してきた業務や取得したスキルを職務経歴書に整理して、エージェントが企業に売り込めるポイントをアピールできるようにしておきましょう。
当日の服装・持ち物
転職エージェントとの面談当日の服装や持ち物についても、直前になって慌てないように前もって確認しておきましょう。
当日の服装はスーツにすべきです。転職サイトにはスーツの他にも志望業界によってはビジネスカジュアルでもOKと記載されていますが、スーツが無難です。
求職者は転職エージェントに希望する企業に対して自分に代わってアピールしてもらう必要があるので、エージェントに好印象や信頼感を抱いてもらうことが必須です。ところが転職エージェントは求職者と初対面なので、どんなにスキルや経験があったとしてもエージェントにとっての評価の大半が第一印象になってしまいます。
どんなに魅力的なスキルや実績があったとしても、見た目がみすぼらしかったら企業に自信を持って推薦できません。ビジネスカジュアルでも印象良く見せることはできますが、企業によってもビジネスカジュアルの基準は異なるため、リクルーティング活動としてはやはりスーツが無難ということです。
スーツをピシッと着こなしていれば印象を悪くすることはまず無いはずです。
次に面談当日の持ち物です。3つあります。
【当日の持ち物】
- 履歴書
- 職務経歴書
- 筆記用具
履歴書と職務経歴書は下書きレベルでOKです。面談はエージェントが履歴書や職務経歴書を見ながらこれまでの経歴や志望業界をヒアリングする形で進めていきます。履歴書や職務経歴書が無いとエージェントが求職者のその場の言葉だけを頼りにしなければいけないので、最悪作成途中のものでも良いので必ず持参するようにしましょう。
履歴書と職務経歴書は作成したら事前にメールで送っておくとエージェントが事前に確認してくれるのでおすすめです。
面談場所の確認
面談当日に迷わないように面談場所の確認をしておきましょう。面談は転職エージェントのオフィスで実施することがほとんどです。事前に現地に足を運んでおく必要まではありませんが、地図アプリなどで場所をイメージできるようにしておきましょう。面談に遅刻してしまうのも印象が良くありません。
予定確保
エージェントとの面談は90分から120分程度見ておくようにして面談後の予定をある程度開けておくようにしましょう。だいたいの所要時間はエージェントから事前に提示されますが、会議のように時間ピッタリで終了するわけではありません。
ヒアリングが長くなったり、求人紹介が長くなったりすると所要時間をオーバーしてしまうことも良くあります。後ろの予定を気にしてソワソワしながら面談しても内容が頭に入りません。所要時間を1時間くらいオーバーしても大丈夫というくらいの余裕を持っておきましょう。
転職エージェント面談の流れ
【転職エージェント面談の流れ】
- 挨拶・エージェント紹介
- 転職理由と転職活動状況のヒアリング
- 職務経歴・スキルなどプロフィールについてヒアリング
- 希望職種・企業・年収など諸条件についてヒアリング
- 提示可能な求人情報についての提案
- 今後の動き・進め方についての相談
東京の神保町に本社を構えるJACリクルートメントに行ってきました。地下鉄神保町駅から徒歩5分くらいのところにある神保町三井ビルディングというビルの14階にオフィスがあります。
エレベーターで14階に降りるとJACリクルートメントの受付を示す立て札が立っていますので案内に従って向かいます。
JACリクルートメントの受付で面談予約していることを伝えると、受付の方が面談スペースに案内してくれます。面談スペースはこんな感じです。
部屋に案内されてしばらく待っているとエージェントの方が入ってきます。
エージェントの方が入ってくると、挨拶して名刺をいただきました。ちなみに自分の名刺を渡す必要はありません。
軽い挨拶を交わして着席しました。
①挨拶・エージェント紹介
最初は雑談を少ししました。初対面なのでアイスブレイクですね。転職エージェントとの面談は面接ではないので気楽に会話しましょう。
そういってJACリクルートメントのパンフレットをいくつか渡されました。他の転職エージェントでも最初にエージェント企業の説明があります。
転職エージェントは企業と求職者の2方向とコミュニケーションをしてマッチングするのですが、マイナビエージェントやリクルートエージェントは企業担当と求職者担当で担当者が分かれる「分業型」を採用しています。
「分業型」は役割分担をすることで各エージェントが企業側か求職者側のいずれかに絞って活動できるので多くの求人案件を取り扱い、多くの求職者とコミュニケーションすることができるメリットがあります。
「分業型」と対をなすのが「両面型」です。両面型は1人のエージェントが企業とも求職者ともコミュニケーションを取るスタイルです。分業型に比べて扱える求人数は少なくなりますが 、企業と求職者のマッチングが非常に強い特徴があります。
企業側と求職者側の両方とコミュニケーションを取っているので、ミスマッチが起こりにくいのです。
JACリクルートメントは「分業型」ではなく「両面型」なので、後悔しない転職を実現できる可能性が高いといえます。
他にもJACリクルートメントの紹介をされましたが長いので割愛します(笑)。
②転職理由と転職活動状況のヒアリング
といったようにエージェントが転職理由を掘り下げてヒアリングしてきます。履歴書や職務経歴書で大まかな転職理由を事前に理解してくれているのですが、求職者が考えている転職理由の根っこの部分を引き出してくれます。
求職者本人だけでは整理できなかったことも整理してくれるので、ヒアリングというよりもカウンセリングと言えるでしょう。エージェントも求職者にとっても企業側にとっても満足のいく理想的なマッチングを目指しているので、飾らず偽らず自分の気持ちを正直に話すようにしましょう。
転職エージェントは求職者の転職活動状況もヒアリングしてきます。転職エージェントの収益源は求職者を転職させた時に企業から受け取れる報酬なので、自社で求職者を転職させられるのか、競合となるエージェントとの関係構築は進んでいるのかというところは非常に気になります。
他社エージェントの利用状況や既に採用面接に進んでいる場合は選考状況など、嘘をつく必要はないので正直に答えておきましょう。
③職務経歴・スキルなどプロフィールについてヒアリング
転職理由の次に経験やスキルについてのヒアリングがあります。求職者はいったいどんなことができるのか、どんな部分で企業の募集内容にマッチしそうなのかを探ります。職務経歴書の文章では表現しきれないこれまでの経験の濃淡をエージェントに理解してもらうようにしましょう。
ここで実績を変に盛ってしまうと転職した後で期待外れだったということにもなりかねないので、実績を盛りたいのは十分理解できますが、そのまま伝えるように心がけましょう。
④希望職種・企業・年収など諸条件についてヒアリング
年収をはじめとした希望の諸条件を聞かれます。ここは譲れないといったポイントはもちろん、こうだったら良いなという希望も伝えておきましょう。あなたの希望をエージェントが正確に知ることで、ミスマッチな求人を紹介されなくなり、お互いの時間の無駄を防ぐことができるからです。
⑤提示可能な求人情報についての提案
待っている間は特にすることもないので最初にもらったパンフレットを見ていました。得意分野は外資やハイクラスのようですが、全方位的に求人案件を抱えているとエージェントが言っていました。
壁にはJACリクルートメントのミッションステートメントが掛かっていました。
数分後・・・
あれ!?知らない男性も一緒に入ってきた。
この流れはJACリクルートメントのような「両面型」スタイルを採用しているエージェントの特徴です。他の大手総合転職エージェントは「分業型」を採用しているので、最初に会話したエージェントがマッチすると思われる求人案件を1人で一気に紹介していきます。
一方「両面型」のエージェントの場合、企業や求人案件というのは原則1人のエージェントが担当することになります。そのため、求人情報ごとに紹介するエージェントが異なるのです。
JACリクルートメントのエージェントが「提案」という表現を使ったのも、自分が担当している企業や求人の魅力を求職者に”提案”するためです。
「この企業はこんなところが魅力でこんな人材を欲している。●●さん(求職者)はこのような実績をお持ちですから活躍できると思います。」といった具合です。
「提案」という形ではありますが、ゴリ押しされるわけではありません。興味がなかったら興味がないと正直に言ってしまって大丈夫です。ただしちゃんと理由も添えた方が良いです。なぜ興味がなかったのかをエージェントが理解することで次の求人案件の紹介精度が高くなるからです。
JACリクルートメントは、求職者とエージェントが会話している裏で、待機している他の企業を担当しているエージェント同士で求職者の情報やカウンセリング結果を共有して、こういう求人がマッチするのではないか?と議論して求人紹介の精度を高めていくのです。
この後もエージェントが立ち代わりで10件ほど求人案件の提案をいただきました。興味深い求人があることは伝えましたが、一度持ち帰ってじっくり考えたいと伝え、具体的なアクションにはつなげませんでした。
エージェントに求人紹介を受けてすぐに求人案件に申し込む判断をするべきではありません。「こんな企業が人材募集してるんだ!」と舞い上がってしまう気持ちはわかりますが、紹介されたタイミングでは情報収集不足ですし冷静な判断ができない可能性が高いので必ず一度持ち帰るようにしましょう。
⑥今後の動き・進め方についての相談
と言って面談は終了しました。やはり2時間程度かかりました。
面談は非常に雰囲気も良くカジュアルに何でも聞くことができたので、緊張せず自分が思っていることやきになっていることを正直にエージェントに伝えるようにするとお互いの理解が深まります。
面談で絶対にしてはならない3つの注意事項
転職活動を成功させるために、エージェントとの面談で絶対にしてはならないことが大きく3つあります。
【面談で絶対にしてはならないこと3選】
- 「転職する気は無いけど話だけ聞きに来た」と言ってしまう
- ネガティブな転職理由を正直に話しすぎる
- 経歴やスキルを誇張したり嘘をついてしまう
「転職する気は無いけど話だけ聞きに来た」と言ってしまう
仮に本音だったとしても伏せておくようにしましょう。転職エージェントは求職者のあなたのために時間を使ってくださっています。転職する気が無いと分かった時点で親身に対応してくれなくなる可能性があります。
後から転職を希望した時、求職者のことを企業に推薦するのはエージェントなので信用を失うような言動は絶対にやめましょう。
まだ転職する決断ができていない人は「転職を視野に入れて検討を始めている。今までの実績を活かせる企業があれば話を聞いてみたい。」くらいにしておきましょう。
ネガティブな転職理由を正直に話しすぎる
「職場の人間関係がつらくて、、、」といったネガティブな転職理由はあると思いますが、エージェントも人間なのでキャリアアップするための転職を考えている前向きな人間と、とにかく今の職場から逃げたいだけの後ろ向きな人間とでは、前向きな人間を積極的に応援したいと思うのが普通です。
エージェントが求人企業に推薦する時に「今の職場から逃げたいそうです。」なんて言えないですよね。
転職活動のきっかけはネガティブな理由でも構いません。「今の職場から逃げてどうしたいの?」という部分を自分の中で明確にしておいて、未来にフォーカスした話をメインにすることでエージェントへの印象を悪くしないようにしましょう。
くれぐれもネガティブな話はほどほどに。
経歴やスキルを誇張したり嘘をついてしまう
転職を成功させる上で絶対にやってはいけないのが、経験やスキルを実態とかけ離れてエージェントに伝えてしまうことです。
エージェントは求職者が実際に仕事している姿を見ているわけではないので、聞いた話を元に推測もプラスして求人企業に推薦します。企業側もエージェントの話を聞いて是非来てほしいと思ったら本人との面接を経て採用します。
企業の期待値と求職者の本当の実力が合わずに入社してしまうと、企業も求職者であるあなたも不幸になります。お互いに「こんなはずじゃなかった」ということになって、最終的には転職を繰り返すことにもなりかねません。
エージェントには実績やスキルを誇張することなく等身大で伝えるように心がけましょう。
登録しておくべき転職エージェント
解説したように転職エージェントとの面談は企業との面接ではないですし、相互理解を目的としているので肩肘張らずに正直ベースで臨むことが大切です。
今後のキャリアに少しでも不安があるのであれば、積極的に転職エージェントとの面談で理想的な企業や働き方を見つけるべきです。
JACリクルートメント
公式サイト:https://www.jac-recruitment.jp/
『JACリクルートメント』はハイクラスの求人を多数扱っている総合型の転職エージェントです。エージェントも非常に丁寧にキャリアや希望職種などをヒアリングしてくれて安心感を与えてくれます。
JACリクルートメントは「両面型」スタイルを取っていて企業には専任のエージェントが担当して、その担当者が求職者に直接提案してくれます。企業の実態を正しく把握していて詳細な情報を教えてくれるため、求人のミスマッチが起きにくいのです。
また企業ごとの採用のクセや傾向も把握しているので、面接対策も的確です。
さらに「分業型」の場合は、相談するエージェントが1人なので、その1人が自分のノルマ達成のためにあまり転職希望者のことを考えてくれないような”ハズレ”だと目も当てられないのですが、「両面型」の場合は紹介してくれる企業ごとに別の担当者が説明してくれるので、エージェントの質を見極めた上で安心できる人と密にコミュニケーションを取ることもできます。
「キャリア相談は安心できるあの人に、希望先の情報は企業を担当しているあの人から」といったことが可能なのです。
デメリットとしては取り扱っている求人数が「片面型」の大手総合型転職エージェントよりも少ないことですが、その分扱っている求人の質が非常に高いので問題ありません。
JACリクルートメントはどなたにもオススメできる転職エージェントなので、まだ迷っているという人でも登録して実際にカウンセリングを受けてみることをオススメします。
パソナキャリア
公式サイト:https://www.pasonacareer.jp/
『パソナキャリア』は総合型の大手転職エージェントです。もともと人材派遣サービスを手掛けていたことから非常に多くの企業とのつながりを持っています。
パソナキャリアの特筆すべきところは、エージェントの質です。転職した経験もなく自分のキャリアもしっかりと定まっていない不安でいっぱいの人に対しても、非常に丁寧に対応してくれます。
転職エージェントは求職者を企業に転職させて報酬を得ているので、どうしてもノルマや「転職させること」を優先しがちです。ですがパソナキャリアは自社やエージェントの利益優先といった態度は一切なく、転職希望者に寄りそってしっかりとキャリアを考えてくれます。
決して転職を急がせることもなく、他の転職エージェントも利用していることを伝えても嫌な顔を一切せずに向き合ってくれるので、広く情報収集するためにパソナキャリアでも相談してみ流ことをオススメします。