このブログでは、サラリーマンが老後資金2000万円を貯めるために、お金に対する考え方やどのように稼ぎ、増やしていくかということを発信しています。
この記事では、旅行積立の特徴とメリット・デメリットを解説します。
各社の商品を比較した上で、旅行積立をするとお得な人、実際は損してしまう可能性のある人について説明していきます。
目次
旅行積立とは
旅行積立とは、決まった期間に旅行資金を積み立てておくことで、満期時にサービス額と呼ばれる利息分がプラスされて支払われる、旅行会社や航空会社による資金積立サービスです。
旅行積立には以下のような特徴があります。
- 毎月一定額を積立(または最初に一括支払い)
- 満期時に数%の利息がついて戻ってくる
- 現金ではなく旅行券として戻ってくる
- 途中解約すると元本割れしてしまう
旅行積立は、現金ではなく旅行券で戻ってくるので、旅行の計画が中止になってしまったという場合には、大きく損をしてしまうリスクがあります。
そういったリスクに対するリターンが見合っているのか、総合的に考えて判断することをおすすめします。
旅行積立のメリット
最初に旅行積立のメリットを解説します。
- 最大で3%の利息が発生する
- 利息に対して税金がかからない
旅行積立のメリットは、最大で3%の利息が発生することです。
これが最大のメリットです。
たとえば、10万円を一括積み立てした場合、1年後に10万3千円の旅行券になって戻ってくるのです。
近い将来、旅行に行く予定がある場合、現金で準備するよりも旅行積立を利用した方がお得です。
メガバンクの定期預金であれば0.01%という超低金利である中、300倍の3%の利率というのは非常に嬉しいですよね。
また、旅行積立は旅行券という形で返ってくるので、増えた金額に対して税金がかかりません。
10万円を0.01%の利息で定期預金として預けた場合、1年で10円の利息がつきますが、この10円はそのまま手元に残るわけではなく、株の譲渡益税などと同様に20.315%課税されます。
つまり、10円×20.315%=約2円を差し引いた8円しか手元に残りません。
そう考えると、実は300倍ではなく375倍程度もお得と言い換えることもできるのです。
旅行積立のデメリット
一方で旅行積立のデメリットは3つあります。
- 現金ではなく有効期限つきの旅行券で戻ってくる
- 途中解約すると元本割れしてしまう
- サービス会社が倒産した場合、元本が保証されない
まず1つが、積み立てたお金が、お金としてではなく旅行券で返ってくることです。
しかもその旅行券は有効期限付き。(※一部無期限の商品もあります)
旅行積立を始める人は、旅行の予定が無くなってしまうなんて考えないでしょう。
ですが、仕方なく予定をキャンセルしなければいけなくなることもあります。
また旅行の計画を立て直せば良いですが、旅行券には有効期限があるため、有効期限内に使い切ってしまわなければなりません。
2つ目のデメリットが、途中解約による元本割れです。
一定期間お金を預けることで利息が得られるサービスは、途中で辞めてしまうと大抵の場合損をしてしまいます。
旅行積立も例外ではなく、元本割れしてしまいます。
たとえば、ANAの旅行積立プランでは途中解約について、このように書かれています。
「解約届」の受領時点までの、積立金額を1,000円未満切捨てにて、「ANA旅行券」でお渡しします。
つまり、積み立てた金額が全て返ってくる訳ではなく、最大で999円まで損してしまう可能性があるということです。
しかも途中解約するということは、旅行の予定が変わっている可能性が高いにも関わらず、旅行券として受け取らなければならないのです。
そして3つ目のデメリットが、倒産リスクです。
旅行積立のサービスを扱っている会社が万が一倒産してしまうと、それまで積み立てていたお金が返ってこなくなります。
銀行の普通預金や定期預金で預けていて銀行が倒産してしまった場合、1000万円までは保証されるのですが、旅行積立は保証されません。
50万円を一括で旅行積立していたのに、旅行会社がつぶれてしまうと1円も戻ってこないのです。
旅行会社が倒産するリスクは低いと思われますが、最悪の場合こういう事態も起きうることを想定しておく必要があります。
こういったリスクがあるということを旅行積立を始める前に認識しておくべきなのです。
各社商品比較
旅行積立は、航空会社と旅行会社が展開しています。
ANA「旅行積立プラン」
航空会社のANAが「旅行積立プラン」という旅行積立サービスを実施しています。
会社名 | ANA |
商品名 | 旅行積立プラン |
コース | ・毎月積立(12〜60回) ・一括積立(12〜60ヶ月) ・一括積立6ヶ月短期コース |
利率 | 2.25〜3.00% |
受け取り品 | ANA旅行券 |
使い道 | ANA航空券、ホテル宿泊、ANAセールス旅行商品など |
有効期限 | 5年 |
利率3%は、旅行積立では好条件です。
さらに今はキャンペーンを実施中で、満期旅行券額10万円ごとに1,000円分の旅行券がプレゼントされるので、キャンペーンを適用すると実質的に3%以上のリターンが期待できるので非常におすすめできます。
JAL「旅行積立」
ANAに続いて同じく航空会社のJALも旅行積立を実施しています。
JALの旅行積立は、ANAよりも利率が高く有効期限が長いので、航空会社を選ばない人ならJALの方が良さそうです。
会社名 | JAL |
商品名 | 旅行積立 |
コース | ・毎月積立(12〜60回) ・一括積立(12〜60ヶ月) ・一括積立6ヶ月短期コース |
利率 | 2.50〜3.00% |
受け取り品 | JAL旅行券 |
使い道 | JAL航空券、旅行ツアー、JALグループの商品・サービスなど |
有効期限 | 10年 |
ただし、こちらはANAと違ってキャンペーンを現在実施していないので、ANAがキャンペーン中であればANAで積立をした方が良いでしょう。
JTB「たびたびバンク」
まずJTBのたびたびバンクが有名です。
会社名 | JTB |
商品名 | たびたびバンク |
コース | 【定期積立プラン】 ・毎月積立(12〜60回) ・一括積立(12〜60ヶ月) 【フリープラン】 ・自由に貯めながらいつでも使える |
利率 | 【定期積立プラン】 1.75% 【フリープラン】 0.8% |
受け取り品 | JTB旅行券 |
使い道 | JTBの国内・海外旅行、JTBグループの各販売店など |
有効期限 | 10年 |
JTBは、好きに貯められて好きな時に使えるフリープランがあるのが特徴です。
よくJTBのパッケージで旅行をするという人や、いつ旅行するか分からないけど、行くときはパックツアーが良いという人には向いていますね。
H.I.S「貯めチャオ」
旅行代理店大手のH.I.S.も「貯めチャオ」という名前で旅行積立を実施しています。
会社名 | H.I.S. |
商品名 | 貯めチャオ |
コース | ・毎月積立(6〜60回) ・一括積立(6〜60ヶ月) |
利率 | 0.98%~2.34% |
受け取り品 | H.I.S.商品券「SKY」 |
使い道 | H.I.S.国内各営業所、特約代理店、ハウステンボスなど |
有効期限 | 無期限 |
H.I.S.は商品券の有効期限がありません。
積立利率は、航空会社の旅行積立よりも劣りますが、H.I.S.でよく旅行する人には有効期限も無いので非常に向いています。
日本旅行「ドリームプラン」
赤い風船でおなじみの日本旅行も「ドリームプラン」という旅行積立を実施しています。
会社名 | 日本旅行 |
商品名 | ドリームプラン |
コース | ・毎月積立(6〜60回) ・一括積立(6〜60ヶ月) |
利率 | 1.50%~2.00% |
受け取り品 | 日本旅行の旅行券「ドリーム旅行券」 |
使い道 | 全国の日本旅行、日旅サービス、日旅北海道、日旅オーエムシー トラベルで利用でき、JR券、航空券、私鉄券、宿泊券などの購入 も可能 |
有効期限 | 無期限 |
日本旅行は、JR+宿泊のような旅行パッケージがあるように、満期に受け取れるドリーム旅行券でJRチケットに引き換えることもできます。
有効期限も無期限で、割と汎用的に使える旅行券として戻ってくるので、積立利率に納得ができるのであればおすすめできます。
近畿日本ツーリスト「旅したく」
海外旅行ツアーの「ホリデイ」や国内旅行ツアーの「メイト」を展開している近畿日本ツーリストも「旅したく」という
会社名 | 近畿日本ツーリスト |
商品名 | 旅したく |
コース | ・毎月積立(6〜36回) ・一括積立(6〜36ヶ月) |
利率 | 1.50%~2.00% |
受け取り品 | 近畿日本ツーリストの旅行券「ツーリスト旅行券」 |
使い道 | ホリデイ(海外旅行)、メイト(国内旅行)など |
有効期限 | 無期限 |
旅したくの最大積立期間は36回/36ヶ月と他の旅行積立よりも短いです。
利率もそこまで高いとは言えないので、近畿日本ツーリストをよく利用している人にはおすすめできますが、旅行会社や航空会社を選ばないということであれば他の旅行積立の方がおすすめです。
阪急交通社「たびだち」
外旅行ツアーの「ホリデイ」や国内旅行ツアーの「メイト」を展開している近畿日本ツーリストも「旅したく」という
会社名 | 阪急交通社 |
商品名 | たびだち |
コース | ・毎月積立(6〜60回) ・一括積立(6〜60ヶ月) |
利率 | 1.60%~2.50% |
受け取り品 | 阪急交通社旅行券「たびだちハイレジャーギフト券」 |
使い道 | 阪急交通社の各種ツアー、ホテル宿泊、JR券、JR回数券、航空券、土産物や旅行用品など |
有効期限 | 無期限 |
阪急交通社のたびだちは、満期時に阪急交通社で使えるたびだちハイレジャーギフト券として返ってくるのですが、阪急交通社にはバスツアーやクルーズなどの商品もあるため、他の旅行会社には無いサービスに魅力を感じる人におすすめです。
JCBトラベル「旅行積立」
最後はJCBトラベルの「旅行積立」をご紹介します。
会社名 | JCBトラベル |
商品名 | 旅行積立 |
コース | 【定期積立プラン】 ・毎月積立(12〜60回) ・一括積立(12〜60ヶ月) 【フリープラン】 ・自由に貯めながらいつでも使える |
利率 | 【定期積立プラン】 1.75〜3.00% 【フリープラン】 0.8% |
受け取り品 | 割引購入権代金利用の権利 |
使い道 | JCBトラベルで取り扱う30社以上の旅行会社のパッケージツアー(JTB、ジャルパック、ANAセールスなど) |
有効期限 | 5年 |
JCBトラベルの「旅行積立」で特筆すべきは、他社の旅行サービスに利用できる点です。
JCBトラベルで積み立てて、JTBや日本旅行の旅行商品に使えるのです。
非常に汎用的に使えるのですが、積立をJCBのクレジットカードで積立をする必要があるという制約があります。
利率も使い道も悪くないので、JCBカードを利用している人にはおすすめです。
旅行積立の注意点
旅行積立の注意点として、本当にコスパが良いかをしっかり検討すべきということが挙げられます。
たとえば、ANAの旅行積立プランで、毎月払いコースで1年で10万円分積み立てる場合を見てください。
1年後の旅行資金を現金から旅行券に換えて1年間積み立てた結果、1,588円がもらえます。
キャンペーンでもらえる分も合わせても2,588円です。
ここでもう一度、旅行積立のデメリットを思い出してみてください。
- 現金ではなく有効期限つきの旅行券で戻ってくる
- 途中解約すると元本割れしてしまう
- サービス会社が倒産した場合、元本が保証されない
旅行積立の最大のリスクである、旅行の予定が無くなってしまうことまで想定した時に、果たしてこのリターンはお得なのだろうかということです。
旅行積立をした方がお得かどうかは、リスクとリターンを天秤にかけた上で判断するようにしましょう。
まとめ
旅行積立のメリット・デメリット、旅行積立を実施している主要な航空会社、旅行会社を紹介してきました。
もう一度、各会社の旅行積立の利率と有効期限を見てみましょう。
会社 | 利率 | 有効期限 |
ANA(キャンペーン中) | 2.25〜3.00% | 5年 |
JAL | 2.50〜3.00% | 10年 |
JTB | 0.80〜1.75% | 10年 |
H.I.S. | 0.98〜2.34% | 無期限 |
日本旅行 | 1.50〜2.00% | 無期限 |
近畿日本ツーリスト | 1.50〜2.00% | 無期限 |
阪急交通社 | 1.60〜2.50% | 無期限 |
JCBトラベル | 0.80〜3.00% | 5年 |
旅行積立の傾向として、利率が良いものは有効期限があります。
一方で無期限のものであれば利率が低いです。
旅行積立を実施している会社は、利率を高く設定する代わりに有効期限を設けたり、満期時にもらえる旅行券を無期限にする代わりに利率を低く設定しているのです。
積み立てたお金が無駄にならないように、旅行積立を賢く利用するようにしましょう。