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配当金目当てで株やETFを買った後で、株価の下落を気にしている人をよく見かけます。
本来、配当金・分配金目当てで投資をするのであれば、買った後に株価の値動きや配当利回りを気にする必要はありません。
それよりも、配当金・分配金の減配リスクを気にするべきです。
この記事では、高配当株投資において、買った後に株価の値動きや配当利回りの変化を気にする必要が無いこと、それよりも配当金の減配を気にすべきことについて詳しく説明していきます。
目次
高配当株投資の目的
高配当銘柄に投資する目的は、その銘柄が出す分配金・配当金によって月々のキャッシュフローを増やし、生活を今よりも楽にすることです。
投資の利益には2つの種類があります。
- キャピタルゲイン(資産売却による値上がり益)
- インカムゲイン(資産保有中の利子収入や配当金)
買った時よりも価値が上がった資産を売却することで得られる値上がり益のことをキャピタルゲインと言います。
キャピタルゲインを狙った投資手法は、「資産を売却」することで多くの収益を得ようとします。
それに対して、「資産を保有」することで得られるのがインカムゲインです。
まさに高配当株投資は、インカムゲイン(配当金)を狙った投資手法なのです。
月々のキャッシュフローを増やすことを目的とした高配当株投資では、いかに「資産を保有し続けられるか」が収益を最大化するポイントとなります。
買った後に株の値動きや配当利回りの変化を気にする必要は無い
高配当株投資は、「資産を保有」することで収益を得る手法なので、基本的に売却することを考えません。
そのため株の値動きを気にする必要が無いのです。
買った時の価格や配当利回りが全てとも言えます。
例えば、株価が10,000円で配当金が300円、配当利回りが3%の株を購入したとします。
そこから株価が6,000円まで下落したとしても、もらえる配当金が300円のままであれば、売却することを前提としない高配当株投資においては、何も問題ないはずです。
ちなみにこの場合、配当利回りは5%(300円÷6,000円)に上がりますが、すでに購入している株の配当利回りが5%になるかというとならないので注意が必要です。
逆に株価が上がったからといって喜べるものでもありません。
10,000円で買った株が12,000円に値上がりしていたとしても、含み益は出ていますが売却することを前提としていない以上、意味が無いわけです。
配当利回りは2.5%(300円÷12,000円)まで下がりますが、10,000円で購入しているのであなたの保有している株の配当利回りは3%のままなのです。
結局、高配当株投資では、購入した時の株価と配当利回りが全てなので、購入後の株の値動きや配当利回りの変化を心配する必要は無いということです。
高配当株投資において株の値下がりは歓迎すべき
高配当株投資は、タイミングを見計らって配当利回りが高い時に購入すべきです。
同じ株価であっても、配当利回りが3%の時に買うのと5%の時に買うのでは全く意味が異ります。
配当利回りというのは、「1株あたりの配当金÷株価」で計算されます。
株価が10,000円の時に配当金が300円なら配当利回り3%、配当金が500円なら配当利回り5%といった具合です。
配当金の額が全く違いますよね。
同じように配当利回りというのは、株価によっても変わってきます。
同じ配当金額であれば、株価が安い方が配当利回りは高くなるのです。
例えば、配当金が300円の銘柄の株価が10,000円だったとします。
この時点で配当利回りは3%ですよね。
この株が6,000円まで値下がりした場合、配当金が300円のままであれば配当利回りは3%から5%に上がります。
高配当株投資は、配当利回りが高い時にタイミングを見計らって買うべきということを最初にお話ししました。
配当金が変わらない場合、株価が下落することで配当利回りが上がるので、高配当株投資家にとって株価の下落というのは本来歓迎すべきことなのです。
逆張り(ぎゃくばり)とは
投資手法(スタンス)の一種で、相場の下落局面で買い、上昇局面で売るという投資手法です。株価が適正水準よりも大きく下落したときに買いを入れて、反発したところで売るというような、一見、相場の大きな流れに逆らって動くような投資スタンスです。反対に、相場の上昇局面では買い、下落局面では売るという手法を「順張り」といいます。
出典:SMBC日興証券
配当金の減配や無配転落を気にすべき
配当金が減ってしまうことを減配、配当金が一切出なくなってしまうことを無配転落と言います。
高配当株投資において、最もリスク視しなければいけないのは、株価下落ではなく、減配や無配転落なのです。
配当金目的で投資をしているのに、もらえる配当金が少なくなってしまったり、全く出なくなってしまう事態になっては意味がありません。
高配当株投資においては、配当利回りの高さも重要なのですが、過去に配当金の減配や無配転落があったかということをチェックすることが非常に大切です。
今配当利回りが高かったとしても、翌年にいきなり配当金を半分にしたりゼロにしたりするような企業もあります。
もちろん景気に左右されて減配することもありますが、過去をチェックすることで増配や減配の傾向をある程度知ることができます。
このグラフは、米国高配当ETFの代表であるVYM、HDV、SPYDの配当金の推移を表しています。
どの銘柄も販売当時から大きな減配がなく、分配金を出していることがわかります。
リーマンショック級の暴落を経験していないところは懸念点としてありますが、今後の減配や無配転落のリスクは少ないと判断することができるでしょう。
こういった優良銘柄は、株価が下落してくれると配当利回りが上がって絶好の購入タイミングになります。
このようにして、高配当銘柄の過去の実績を確認することで減配や無配転落の可能性を考え、投資するターゲットを絞った上で、株価が下落して配当利回りが上がるタイミングを待って投資するのです。
どんな場合に売却するのか
配当金目当てで購入した銘柄でも、売却する場合があります。
- 大きな減配や無配転落があった銘柄
- 大きく値上がりした銘柄
まず1点目は、これまでに説明した通りです。
配当金目的で投資しているのに、期待通りに配当金が出ない場合には売却するしかありません。
購入した後に、配当利回りが同じであっても、購入した価格は変わらないので、株価の下落と共に配当金も下がっていたら実質的な配当利回りは下がっているのです。
たとえば、300円の配当金がでる銘柄を10,000円で買ったとします。
この時点で配当利回りは3%です。
しかし、株価が5,000円に値下がりして配当金も150円に下がってしまったとします。
この場合でも配当利回りは3%で変わらないのですが、あなたは10,000円で購入しているので、10,000に対して150円しか配当金が支払われない状況になります。
つまり実質的な配当利回りは1.5%まで下がってしまうのです。
配当金目的で投資していたのに、期待通りの配当金を受け取れないのであれば損切りして別の高配当銘柄を買った方が良いでしょう。
そして2点目「大きく値上がりした銘柄」という点も実は重要です。
株が大きく値上がりした場合、配当利回りが低くなる傾向があります。
企業が事業活動によって得られた収益は、基本的に自社の成長のために使うか、株主に還元するために使うかの2択です。
株主に還元されたものが配当金です。
一方で、収益を自社のために使う場合、企業としては成長して企業価値が上がるので株価は上がる傾向にあります。
収益を配当にあてずに自社のために使って株価をあげるので、1株あたりの配当金÷株価で計算される配当利回りは低くなる傾向にあるのです。
300円の配当金を受け取れる銘柄Aを10,000円で購入して配当利回り3%の銘柄を手に入れて、その後株価が20,000円に値上がりした場合、配当利回りは1.5%になります。
株価がいくらになろうと、配当金の額が変わらない限り、あなたにとっては何の変化もありません。あなたにとっての配当利回りは3%のままです。
ですが、他に株価が20,000円で配当金を600円受け取れる配当利回り3%の銘柄Bがあったらどうでしょう。
今保有している銘柄Aは、10,000円で購入しましたが、売れば20,000円になるのです。
その売って得た20,000円で銘柄Bを買えば600円の配当金を受け取ることができるのです。
実に銘柄Aの倍です。
このようなことがあるので、保有している銘柄が大きく値上がりした場合は、売却を検討するのもありだということです。
ただし、株価の上昇の後に、配当金を増やす(増配)する企業もありますので、保有し続けるという選択もありだと思います。
その辺りは個別の判断になってくるので一般的には言えませんが、大きく値上がりした場合は売却を検討することも視野に入れるということを頭に入れておくと良いでしょう。
高配当株投資は銘柄の下落で落ち込むな
高配当株投資をしている人でも、株の値動きに一喜一憂してしまう気持ちはよく分かります。
やはり保有している資産の評価額が下がってしまうと良い気持ちはしないですよね。
ですが、高配当株投資の場合は、値下がりは歓迎すべきことですし、リスク視する指標は株価下落よりも配当金の推移や減配・無配転落リスクです。
高配当株投資の仕組みをしっかりと理解して株価が下落する局面で狼狽しないようにしましょう。
高配当株投資の初心者は、米国高配当ETFから始めることをお勧めします。
過去の配当金の推移を見ても減配リスクは少ないです。
最近は最低取引手数料が0円になったりして、より投資しやすくなりました。
高配当株投資で、あなたも金のなる木を育ててみませんか。