2019年6月に、金融庁が「これからは老後の資産形成のための自助努力が必要、老後資金として2000万円用意すべき」といった発信がされて話題になりました。
この記事では、生涯で必要なお金とそれに備えられるかどうかを検証する方法を紹介します。
しっかりと現実を見据えて、漠然とした不安を取り除き、より具体的に将来に備えられるようになります。
目次
漠然とした不安を取り除く方法
将来に対して漠然とした不安を抱く理由は2つです。
- いつどのくらいのお金が必要になるか分かっていない
- いつまでにどのくらいお金を貯められるか分かっていない
いつどのくらいのお金が必要になるのか分かっていなければ、このまま生活して良いのか全くわかりません。
また、将来必要になるお金が分かったとしても、そのお金を準備できるかどうか分かりません。
逆にこの2つが分かれば、不安がなくなり適切な準備ができるようになります。
ライフイベントでの支出を知ろう
ライフイベントとは、誕生、就学、就職、結婚、出産、子育て、教育、リタイアなど、人生での大きな出来事の総称です。
この記事では、将来大きなお金が必要になる出来事のことをライフイベントと呼びます。
日本FP協会によると、サラリーマンのあなたに今後発生する可能性のあるライフイベントとそれぞれに掛かる金額は以下の通りです。
ライフイベント | 必要金額 |
結婚 | 463万円 |
住宅購入の頭金 | 680万円 |
出産 | 51万円 |
教育費 | 993万円 |
老後資金 | 2,000万円 |
合計 | 4,187万円 |
住宅購入の頭金は、物件購入金額の2割程度といわれているので、住宅購入非3,340円の約2割で680万円としています。
これに加えて、マイカーが必要な人は車の購入代金を追加したり、2人以上の子供を出産する予定の人は、教育費を2倍以上用意する必要があります。
ライフイベント | 必要金額 | 想定発生タイミング | 年齢 |
結婚 | 463万円 | 3年後 | 28歳 |
住宅購入の頭金 | 680万円 | 5年後 | 30歳 |
出産1人目 | 51万円 | 7年後 | 32歳 |
出産2人目 | 51万円 | 9年後 | 34歳 |
教育費1人目 | 993万円 | 25年後 | 50歳 |
教育費2人目 | 993万円 | 27年後 | 52歳 |
老後資金 | 2,000万円 | 40年後 | 65歳 |
合計 | 5,251万円 |
実際には、パートナーとの2人で支払っていくものですし、教育費は大学入学時に一括で発生することを想定しましたが、実際にはもっと前から少しずつ必要になってきます。
大切なのは、正確に試算することではなく、大まかにイメージすることです。
キャッシュフローとは
キャッシュフローとは、現金の流れのことです。
企業が事業活動をする上で把握するものですが、家計管理においてもキャッシュフローの考え方は重要です。
毎月の収入と支出を把握して、その差額がどの程度なのか、どのくらい投資に回してどのくらいの収益が出ているのかを把握します。
収入を把握する
収入を把握するには、銀行口座の入出金履歴を振り返ってみることをおすすめします。
定期的な収入は給料だけじゃないことがあります。
たとえば、ブログやせどりなどの副業をやっていて、毎月1万円でも一定水準以上の収入を得ている場合は、収入と考えられます。
また、子供がいる家庭であれば児童手当が定期的に支給されているでしょう。
そういった給料以外の収入も含めて、銀行口座の入出金履歴から確認することができるはずです。
支出を把握する
収入と同様に、毎月の支出を把握しましょう。
支出は、細かい出費を家計簿に記録していくのは大変なので、ざっくり把握することを心がければ十分です。
コツは2つ。
- 固定費は正確に把握する
- 変動費はざっくり◯万円
固定費は、毎月確実に決まった金額発生するものなので、最初は大変ですが正確に把握しましょう。
- 家賃/住宅ローン
- 生命保険
- 水道光熱費
- 携帯などの通信費
- 車の維持費/レンタカーやカーシェア費用
- 習い事など教育費
思いつくものをあげて、毎月いくらかかっているかチェックしてみてください。
固定費についても銀行口座の入出金履歴を確認すると良いです。
また、クレジットカード払いになっているものもあるので、クレジットカードの利用明細もあわせて確認しましょう。
固定費は、把握した上で削ったり減らしたりできるものがあれば、この機会に検討しましょう。
固定費を安く抑えることが、生活を楽にする秘訣です。
変動費については、食費3万円、飲み代1万円、書籍代1万円など普段の生活を振り返ってみて、ある程度まとまった出費がありそうな費目ごとにざっくりいくら使っているか決めてしまいます。
そして、その他雑費として3万円など、他のどの費目にも当てはまらない出費を丸めて計上します。
正確ではないですが、「まぁこんなもんだろう」という金額を当てはめられたら、この程度で十分です。
ただし、金額を決めたら次の1ヶ月間で検証してみることをおすすめします。
そもそも感覚がズレていることもあるので、面倒に思わない人は自分の感覚が正しいかチェックしてみてください。
収入と支出の差額を把握する
収入と支出が見えてきたら、差額を計算して毎月の手残りを把握しましょう。
あなたが現在貯金や投資に回せる金額です。
「給料が入ったら先に一定額貯金や投資に回す」といったことをしている人は多いですが、他の収入を認識していないことや、残った金額から支出額を引くとマイナスになっていて、実は貯金を切り崩している状態だったということもあるのです。
現在いくら手残りがあるのかを把握した上で、できる対策をしていきましょう。
いつまでにどのくらい用意する必要があるのか
対策の方向性は3つ。
- 収入を増やす
- 支出減らす
- 手残りの運用方法を見直す
収入を増やすのは、給料を上げるだけでなく副業をして事業所得を増やすことも選択肢になります。
https://retirement-fund-20million-yen.com/side-business-recommendation/
支出を減らす簡単な方法は固定費の見直しです。
手残りの運用方法は、ローリスクローリターンなものを選ぶか、ミドルリスクミドルリターンのものを選ぶかなど、選択肢が変わってきます。
目的に応じた資産運用をはじめよう
老後資金2000万円を貯めるだけであれば、会社の確定拠出年金と自分で貯金しておくだけで十分かもしれません。
ですが、それ以外のライフイベントにかかる費用を準備するためにも、どのような資産運用をすべきか見極めることが必要です。
長期的に積み立てで投資信託を買うのか、個別株を短期から中期で売買するのか目的に応じてお金を増やす手段を選びましょう。
とはいえ、配当&利子所得を得ていくためにも証券口座はほぼ全員に必要になってきます。
まずは、証券口座を開設しておくことをおすすめします。